天皇賞・春2025予想|独自の能力値で導く穴馬AI予想

5月4日(日・祝)、京都競馬場で伝統の長距離GⅠ「天皇賞・春」が行われます。3200mという過酷な舞台は、スタミナ、折り合い、そして展開読みまですべてを試される“競馬の原点”とも言える一戦。今年も注目の好メンバーが揃いそうですが、ここでは穴馬を見つけ出すための「7つの視点」から、データを交えて狙い馬を探っていきます。

なお、記載されている「近10年」は2021・2022年の阪神開催を除いた2013〜2024年の京都開催のデータに基づいています。


ポイント1:キャロットファームの人気馬は要注意?

昨年も記した通り、キャロットファームの所有馬が春天に出走すること自体が非常に稀。出走頭数が少ないうえ、過去の実績も振るいません。

これまでに出走した5頭の成績は以下の通りです。

  • 2011年 トゥザグローリー:13着(1番人気)
  • 2016年 ファタモルガーナ:7着(16番人気)
  • 2017年 ファタモルガーナ:10着(15番人気)
  • 2024年 ドゥレッツァ:15着(2番人気)
  • 2024年 タスティエーラ:7着(4番人気)

人気馬を含みながら掲示板にも載れていないというのは、やはり異例。クラシックや海外志向の強いオーナー方針も関係していると見られ、春の長距離GⅠには適性や調整がマッチしていないのかもしれません。

今年の該当馬(割引対象):ヘデントール、シュヴァリエローズ

いずれも人気上位候補に挙がりそうですが、データ的には割り引いて考える必要があるでしょう。


ポイント2:ディープ&ハーツ産駒には過信禁物

ディープインパクト産駒は【3.2.1.21】で複勝率22%と、この名血にしては平凡。近年は産駒数自体も減少し、サリエラが昨年3番人気で12着に沈んだように、スタミナ勝負の舞台では分が悪い印象です。

一方、ハーツクライ産駒も【0.5.2.18】と未勝利。京都開催に限れば【0.1.0.10】と勝ち馬ゼロ。下り坂を利用したスパート戦に対応できないという見方もあり、京都の長距離では“走らない”血統と考えておくべきかもしれません。


ポイント3:前走ダイヤモンドステークス組は苦戦

前走がダイヤモンドステークスだった馬は【0.1.0.16】と、まさかの未勝利。長距離GⅢということで舞台は似ていますが、そもそものレースレベルや流れの違いから、春天に直結しづらいレースと考えられます。

日経賞組【2.2.2.40】や阪神大賞典組【4.4.5.47】に比べても明らかに劣勢。前走の格と中身はしっかり見ておくべきです。


ポイント4:前走掲示板外の馬は狙いづらい

GⅠという舞台で求められるのは「勢い」。過去データでは、前走6着以下だった馬は【0.2.1.49】で複勝率6%と苦戦しています。重賞で負けた馬はもちろん、オープン特別での凡走も割引対象。

今年の該当馬(割引対象):アラタ、ウインエアフォルク、ジャスティンパレス、プラダリア、ワープスピード、シュヴァリエローズ

特にシュヴァリエローズは、ポイント1・4のダブル該当馬。データ的にはかなり厳しい立ち位置にあることは間違いありません。


ポイント5:基本は4歳・5歳が主役

年齢別の複勝率を見ると、6歳馬も含めて数字は互角ですが、勝ち馬は圧倒的に4歳・5歳に集中しています。7歳以上は【0.1.5.36】と、連対すら困難。

経験よりも、勢いと若さ。これが春の長距離戦を制する鍵となっています。


ポイント6:「前」が止まらない春の京都

過去10年の京都開催で馬券に絡んだ30頭中、4コーナーで5番手以内にいた馬は22頭。明らかに先行有利なレース構造となっており、残り1000mからスパートが始まるタフな流れでも、ポジションが前なら押し切りが可能な舞台です。

昨年も2番手のテーオーロイヤルが押し切りV、先頭のディープボンドが6番人気で3着に粘り込み。折り合いと同じくらい、早めに動けるスピードと機動力が求められます。


ポイント7:外枠不利の明確な傾向

京都芝3200mは外枠不利が顕著。15番以降の馬は【0.0.2.26】と勝ち馬ゼロ、複勝率もわずか7%にとどまります。道中ずっと外を回されるロス、折り合いを欠くリスク、仕掛けどころの難しさ。長距離戦での外枠は明確なマイナス材料です。

今年の出走頭数は15頭立てが濃厚とされ、15番枠の馬が唯一の「最外枠」。発表される枠順に注目が集まります。

AI予想:勝ち馬候補3頭

過去データで浮き彫りになった「前に行ける機動力」「前走好調(掲示板内)」「外枠不利を避けたい」という3点を軸に、各馬の能力数値を総合評価しました。割引対象に該当しない馬の中から、AIが導き出した本命・対抗・単穴は以下の3頭です。独自の能力値予想記事を参考に、AIに予想させました!


ブローザホーン

独自の能力値予想では、総合78点という高水準に加え、スタミナ9・持続力9で3200mへの適性は最上位クラス。ゲート6と絶好ではないものの、スピード8とパワー7で4角5番手以内を確保できる先行力がある。ポイント6の「前にいる馬が強い」傾向と、ポイント4の“前走掲示板外ではない”条件を満たす点が強み。割引データに一切かからず、走り頃の4歳馬という年齢面(ポイント5)も追い風だ。


サンライズアース

独自の能力値予想では、総合77点。スタミナ9・持続力9というロングスパート戦向きの資質に、スピード8で前半も置かれにくい。パワー7は馬場が悪化しても対応できる水準で、京都特有の下りを利用した早め進出が利きそうだ。割引ポイントには無縁で、ディープ・ハーツ系でもないためポイント2の“血統過信禁物”にも抵触しない。内〜中枠を引けば、楽に好位を取って押し切りまである。


ビザンチンドリーム

独自の能力値予想では、総合75点だが、変化への適応9が光る一頭。気温や馬場状態が読みにくい春の京都で適応力の高さは大きな武器。スピード8・瞬発力8で残り1000mからのロングスパートにも対応でき、ゲート6ならスタート五分で先団に取り付ける。こちらもポイント1・4の割引要素ゼロ。大外さえ引かなければ、データ的に穴で浮上する余地は十分だ。


AIはこの3頭を上位評価とし、本命は“総合力+先行力”が秀でるブローザホーン。対抗サンライズアースも甲乙付けがたく、ビザンチンドリームが一発を秘める。先行決着が濃厚な春の京都で、データが示す“前”のポジション取りに注目したい。