大井競馬場2000mコースの特徴とは?|砂厚、勝ち馬の傾向を徹底分析
競馬ファンの皆さん、こんにちは。
地方競馬の各コースについて分析する当シリーズ。今回は、大井競馬場の2000mコースをご紹介します!
結論、大井競馬場2000mで見るべきポイントは下記の5つです。記事内ではさらに詳しく解説しているので、必ず最後までご覧ください。
- 折り合いが付きそうな馬か
- 逃げ、差し、追込などの
- 極端な脚質ではないか
- 一気のペースアップに対応できそうな馬か
- 長くいい脚を使えそうなタイプの馬か
- 大井競馬場の砂厚
当記事で紹介するポイントを抑えることで、大井競馬場2000mレースで何を見れば良いかが分かり、勝ち馬を見つけることが容易になるでしょう。
また、下記のYoutubeでも大井競馬場2000mについて解説しているので、動画で見たい方はこちらからどうぞ。
大井競馬場の特徴を開催日程も併せて紹介
大井競馬場の特徴は下記の比較表をご覧ください。
場所 | 東京都品川区勝島 |
開催頻度 | 4週に1週 |
開催日程 | 1月〜3月:昼間開催。 4月〜12月:ナイター開催 |
大井競馬場は、川崎・船橋・浦和の各競馬場とともに「南関東公営競馬」を構成する競馬場の1つ。東京都品川区勝島に位置しています。
東京23区内にある唯一の競馬場です。第4コーナー向こう側にはしながわ水族館があります。
ほぼ1週おきに、交互に開催が行われている、大井・川崎・船橋・浦和の南関東4競馬場。
ですので、大井競馬もほぼ「4週に1週」程度の割合で競馬の開催が行われていますが、他の3競馬場と比べてやや多めに開催日数が配分されています。
1開催=月~金曜の連続5日間開催で行われることが大半ですが、しばしば土曜・日曜にも開催が行なわれています。なお、1月から3月は昼間開催。4月から12月はナイター開催です。
〈12月29日~31日は薄暮開催〉
毎年、年末は大井競馬の開催で日程が固定されていますが、12月31日の最終レースは、その名も「おおとり賞」。
「おおとり賞」でその年の馬券を〆め、翌日元旦の川崎競馬・第1レースで運試し。これが、南関ファンの「正しい年末年始」です。
大井2000mの基礎知識|G1レースや、コースの特徴も解説
大井競馬場ではJRAの強豪が参戦するダートグレード交流重賞が年6レース行われています。
そのうち「G1レース」は次の3つです。
- 帝王賞
- 東京大賞典
- ジャパンダートダービー
この3レース、全て大井の2000mで行なわれています。
また、南関東の3歳牡馬クラシックの頂点を競う「東京ダービー」が大井で行なわれますが、こちらも距離2000m。
つまり、大井における4大レースが全てこの「2000m」で行なわれているのです。大井2000m=チャンピオンディスタンスと呼ばれる所以です。
大井競馬にとって「2000m」=まさに「最重要・根幹距離」の距離条件なのです。
大井競馬場のトラックは第3コーナーから第4コーナーが外回り・内回りに分かれています。
JRAで例えれば阪神競馬場のように、「施行距離」によって内回り外回りが分かれます。
大井競馬場の場合、1000・1200・1400・1700・1800・2000・2400・2600mが外回りコースを使用。
1500m・1600mが内回りコースを使用します。外回りは直線386m。内回りは直線286mです。ちょうど100mの差。
ちなみに阪神競馬場のダートコースの直線は352mですから、大井の外回りの直線はJRAのコースにまったくヒケを取らないスケール、というコトになります。外回りのレースでは、長い直線で迫力のある叩き合いの攻防を堪能できます。
しかし、内回りのレースは直線が短く、コーナーも急ですから先行力、機動力、器用な立ち回りが大切となりますし、枠順もかなり影響します。他の小回りコースでの実績も活きます。
競馬の根幹距離である「マイル」がトリッキーな内回りで行なわれ、数多くの重賞が施行される点も、大井競馬場の大きな特徴の一つです。
大井2000mのポイントを予想する際の5つのポイント
大井競馬場・外回りコースのトラック1周の距離は、1600m。
ゴール板を基準に1周1600mですから、大井の外回り2000m戦はゴール板の400m手前からスタートすることになります。
同じく外回りの1800m戦はゴール板の200m手前から、1700m戦はゴール板の100m手前からスタートを切ることになります。
つまり1800m戦や1700m戦は、最初のコーナーまでの距離が短くなります。ですから序盤の位置取り争いが少し活発になります。テンのペースが少し速くなることもあります。
しかし、2000m戦は最初の1コーナーまで距離が十分にあります。ですから、スタートして各馬がゆったり走り、自分のポジションをじっくり探りにいきます。相手の出方を見つつです。ですから、テンはまったく速く流れません。序盤・中盤まではスローペースで流れるケースが大半です。
しかも「助走距離」が長いため、内枠外枠で枠の有利・不利はほとんどありません。外枠の馬でも、自在に捌いて好位が取れます。枠を気にせず馬券を買える、ファンにとっても関係者にとってもフェアなコースと言えます。
大井の外回り2000m戦で好走するために大切なことは主に次の3つです。
- 折り合い
- 一気加速への対応力
- 中盤~終盤でいい脚を長く使えるか否か
いわゆるロングスパート力の高さ。
この3つです。
ダート戦で折り合い?
加速対応力?
いい脚?と
言われそうですが…。
序盤・中盤は極端なスローで流れ、しかし3コーナー手前で一気にペースが上がり、最後に長い直線が待つのが大井の2000m戦。これが、同じ大井でも他の距離ですともっとペースが流れたり、直線が短い内回りだったりしますからレースの質はかなり違ってきます。
しかし、この外回り2000m戦だけは極端なスローペース+3コーナー手前で一気に加速+直線の長い外回りが3つ「セット」で揃うため、好走のために求められる素養が全く違ってくるのです。
中盤までのスローペースでしっかり折り合いがついてスタミナロスを防げるか?3コーナー手前での一気の「加速」についていけるか?そして、そこからゴールまでのロングスパート合戦で、いい脚を長く使い続ける事ができるか?以上が「セット」で求められるのです。
序盤・中盤はスローペースの中でしっかり折り合って脚を溜め込み、一気のペースアップにしっかり対応して、ロングスパートで脚比べに持ち込む。
好勝負するために、多くの要素が求められる「総合力勝負」のコース。
それが大井の外回り・2000m戦、というワケです。
直線が長いため基本的に「逃げた馬」はあまり圏内に残りません。
2021年のジャパンダートダービーは超・人気薄の地方馬・キャッスルトップが逃げ切りましたが、これはあまりの人気薄で完全ノーマークにされたことが勝因。とはいえ自身も、ソコソコの持続脚は使っていました。
序盤中盤がスロー、しかし馬群はタテ長になることが多め。
つまり、全馬が十分に「余力」を残した状態で前後バラバラの位置から一斉に仕掛けて、同じような速さの脚で上がってくる感じですから、必然的に前にいるほうが有利です。
とはいえ直線が長いため、逃げた馬は長い区間、目標にされます。ですので捕まりやすい。
逃げも、差しも、追込も辛いコースというコト。
必然的に、好位で立ち回る馬が有利になります。直線の長さにダマされてはいけません。
改めてまとめます。
大井の2000m戦を
予想する際は…
- 折り合いが付きそうな馬か
- 逃げ、差し、追込などの
- 極端な脚質ではないか
- 一気のペースアップに対応できそうな馬か
- 長くいい脚を使えそうなタイプの馬か
以上のポイントが、大井2000m戦で好走しそうな馬を見極める「早道」となります。
大井コース全般のポイント、傾向を徹底解説
ここからは2000m戦に限らず大井コース全般の「傾向」について幾つかお伝えします。
道悪になった時にいっそう差しが決まらなくなり、前が残りやすくなるのも大井コースの特徴です。
大井競馬場では毎朝、数多くの馬が調教でコースを走っています。
ですから、大井競馬場の「砂」は細かく潰れています。しかも大井は砂厚ももともと薄い(後述)。したがって雨が降るとコースが堅くなって馬場が軽くなりやすく、その結果、前の馬が止まらなくなる、というワケです。つまり砂厚の関係から、前が残る馬を選択するべきです。
また、大井では雨量が多いと内の砂がコース外へ流れ出て内が薄くなり、内が止まらなくなるとも聞きます。
しかも、今回ご紹介している外回り2000m戦は元々スローペース。ですから、大井2000m戦=道悪になると、「前々で決まる要素が満載の舞台」と化すワケです。
コレが、たとえば川崎競馬場などはまたちょっと「傾向」が違ってくるのですが、道悪の大井では当傾向が顕著。「内」が止まらなくなりますから内枠発進からあっさり内・前の好ポジションを奪えた馬のチャンスが広がります。
2000m戦に限らず、道悪になった時は、ぜひこの点を加味して予想していただければと思います。
大井競馬場で行われるJRA交流条件戦の3つのポイント
大井競馬場では重賞レース以外にJRA交流の条件戦もよく行なわれます。
しかし、当地初出走のJRA条件馬の中には初の大井コースで全く実力を発揮できず完敗してまう馬も結構います。
JRA交流の条件戦におけるJRA所属馬=力上位だからシンプルに信用すればOK、というワケではありません。JRA所属の条件馬が初の大井コースで「戸惑って」実力を発揮できない要因は3つ。
JRAのダートコースとは大きく違う砂の「質」
よく「地方の砂は重い」と言われますが、大井の砂厚はたった7.5センチ。ズバリ、薄いのです。他の競馬場と比べても砂厚は薄いということがわかります。
大井では毎朝、本コースで数多くの馬が調教を行いますが、深い砂だと調教の段階から馬に負担が掛かってしまうためあえて薄くしている、とも聞きます。また数多くの馬が毎朝走っているため、砂が潰れやすいそう。いわゆる「つかみ所」のない薄い砂厚。独特なのです。この砂厚に戸惑う馬がいます。
交流厩舎
JRA所属馬が大井のレースに出る時は場内の第2コーナー付近にある、JRA所属馬専用の交流厩舎に入りますが、この慣れない環境に戸惑ってピリピリしてしまう馬もいると聞きます。
ナイター照明
初ナイターの馬がパドックでイレこむ事が少なくありません。これはパドックを見ればかなり容易に推察可。
百戦錬磨の一流馬ならともかく、経験の乏しいJRA所属馬が大井に遠征してきた時は過剰に信頼し過ぎず、当日の気配や適性面をしっかり見極めるコとが大切なポイントとなります。
まとめ|大井競馬場2000m
以上、大井競馬場、そして大井2000mコースについての解説でした。
もちろん馬の実力比較、調教やローテーション・騎手配置から読み取る勝負気配度のチェックは南関競馬の予想において最優先される項目ですが…
大井2000m戦ではさらに、ここまで述べてきた点についても留意をされたうえで、予想作業を進めて頂ければと思います。有難うございました。